福岡市議会議員・山口つよし

2005.12.08:平成17年第6回定例会

◯19番(山口剛司)登壇 私は、公明党福岡市議団を代表して、平成16年度一般会計、特別会計及び企業会計の決算について、これを認定することに賛成し、討論を行います。なお、意見の詳細については、さきの決算特別委員会総会並びに各分科会において、我が党議員が意見、要望を述べております。行政当局におかれましては、真摯な対応をお願いいたします。ここでは、特に重要な課題である財政問題に絞って意見を述べます。
 まず、平成16年度決算を実質収支で見ると、一般会計が92億193万円の黒字、特別会計は37億8,414万円の赤字で、合計54億1,779万円の黒字となっています。単年度収支では、一般会計、特別会計ともに黒字で、合計29億3,082万円の黒字と、平成14年度から2年間赤字だっただけに、ようやく黒字に転換しましたが、少子・高齢化など今後の社会変化を考えると、歳出面で扶助費や公債費など義務的経費が増加傾向にあることから、徹底した事務事業の選別など財政健全化に向けた一層の努力が求められるところであります。
 我が国経済は、企業収益が改善し、雇用環境が持ち直すなど回復の兆しが見られます。しかし、一方では原油などの素材価格の高騰に加え、欧米各国での金利上昇など世界経済の懸念材料も出始めており、まだまだ予断を許さない状況が続くものと思われます。景気回復の兆しが見え始めたとはいえ、本市経済や財政への影響が出てくるのはまだまだであり、一方では国も地方も巨額の債務を抱えている現状にあって、三位一体の改革など国からの交付税や補助金の大幅削減も予想されることから、さらなる財政健全化に向けたより強力な取り組みが求められております。
 現在進めている事業の選択と集中による財政の合理化は当然のことですが、さらに職員定数の実質減につながる事務事業の抜本的見直しが必要と考えます。そのためにも、我が党議員が決算総会でも指摘しましたように、現在のすべての事業について仕分け作戦を実施すべきであります。本市でも総事業点検スプリングレビューを実施し、約60億円の縮減ができましたが、民間のシンクタンク、構想日本が提唱し、幾つかの自治体が既に実施し、国も特別会計で取り入れようとしている事業仕分けは、大胆な歳出削減につながる有効な手法として注目を集めています。行政の事業を見直し、不要な事業を廃止したり、民間へ移管することは、行政依存から抜け出し、地域の活力を回復するために不可欠な取り組みですが、実際には総論が繰り返されるだけで各論は遅々として進んでいきません。そこで、自治体職員など現場の人々に第三者の目、有識者の目を交えて予算書の全事業項目を個々にチェックし、この事業はそもそも必要なのか、必要ならば行政で行うべきか、民間ではできないのか、行政で行うとしても行政のどの部分が担った方がより効率的に行えるか等々の仕分けをしていくのがこの事業仕分け作戦の特徴であります。行政のスリム化と費用の軽減を図るためには有効な手法であり、早急な取り組みを求めるものであります。
 また、本市の平成16年度末の市債残高は、前年度比2.3%増の2兆7,092億3,991万円、市民1人当たり193万5,000円となっています。平成11年度以降、市債発行額は減少し、平成12年度決算からプライマリー・バランスを達成しているとはいえ、平成16年度までは過去に発行した市債の元利償還のため公債費の増加は避けられません。それだけに、しっかりとした財政見通しのもと、市債に限らず、借り入れ、債務保証などを含めた公的債務残高を持続可能な水準以下に抑え込むようにしていかなければなりません。今後は市債を中心とする公的債務の徹底した管理政策が重要になってまいります。市債をめぐっては、今後、景気回復などに伴って金利の上昇がささやかれ始めている中で、金利リスク、さらに過去に大量に発行された国債や地方債の借りかえ時期を迎える平成20年度に予想されている借りかえリスクなど、国債、地方債をめぐる幾つかのリスク要因が指摘されているだけに、市債発行量の適切な管理、市債の有利かつ安定的な発行及び将来負担の計画的抑制、市債管理部門の強化及び専門知識を持った職員の育成、配置等々、公的債務管理政策の強化、充実を強く求めるものであります。このほか、歳入の面で見ると、一般会計では平成16年度の不納欠損額が前年度比8.2%減少しているものの16億1,900万円余りあります。特別会計では前年度比で12.9%増加しており、合計すると不納欠損額は前年度比4.9%増の48億7,231万円になります。市税を初め保険料、使用料などの収納率向上への取り組みでもなお一層の努力を求めます。
 以上、私は財政問題に絞って意見、要望を申し上げましたが、市長2期目の総仕上げを迎えた山崎市長の力強いリーダーシップによる市政運営を期待しまして、我が党の賛成討論を終わります。

 

福岡市議会議員
山口つよし

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