福岡市議会議員・山口つよし

市議会発言録

◯山口委員 市職員の採用について尋ねる。22年度の市職員の採用者数と退職者数、うち技術系の採用者数と退職者数はどうか。

△総務企画局長 22年度の職員採用者数は242人、退職者数は445人、うち土木職や建築職など技術系の採用者数は56人、退職者数は76人である。

◯山口委員 技術系職員の人数と全職員に対する割合、及び過去5年間の推移はどうか。

△総務企画局長 平成22年4月1日現在、技術系職員数は1,783人で、全職員9,590人に対する割合は18.6%である。また、過去5年間における技術系職員の比率の推移は、18年度18.0%、19年度17.4%、20年度17.7%、21年度17.6%、22年度18.6%であり、ほぼ横ばいの状況である。

◯山口委員 22年度の技術系職員の採用のうち、土木・建築・電気・機械・造園等の職種の内訳を尋ねる。

△総務企画局長 22年度の採用者数は56人で、内訳は土木職31人、建築職10人、電気職7人、機械職7人、造園職1人である。

◯山口委員 新卒者の就職がここ2年は氷河期と言われ、需要が減少している中、本市職員の採用242人、退職445人と差し引き203人も減少するのは社会全体としても問題ではないか。

△総務企画局長 退職者数と採用者数の差については、平成21年4月の市立病院の地方独立行政法人化等の特殊要因もあり、203人の減となったものである。職員の採用については、事務事業の見直しや定年退職者等の状況を勘案し、次年度の採用者を年度ごとに決定しており、今後も必要な職員の確保に努める。

◯山口委員 病院関係の100人減を除いても、その他で100人も減少しているのが実態である。土木職員について、20年度から22年度の3カ年の採用人数はそれぞれ何人か。

△総務企画局長 20年度5人、21年度26人、22年度31人である。

◯山口委員 土木職員の採用者数にばらつきがあるが、その要因は何か。また、22年度及び23年度の土木職員の退職予定者数は何人か。

△総務企画局長 20年度の土木職採用者数が5人と少ないのは、土木局と下水道局の統合により土木職員数の大幅減が予定されていたことによる。また、22年度及び23年度に退職予定の土木職員は、22年度24人、23年度33人である。

◯山口委員 20人以上の新入職員が配属されても、特に技術系の場合は、1年程度では現場を任せる実働部隊の職員とはならず、指導する側にも新人と同数以上のベテラン職員が必要となるが、その点を認識しているのか。全体人数のみの調整ではなく、仕事の内容を加味し、各現場部局の意見を聞いて採用に当たるべきと考えるがどうか。

△総務企画局長 職員採用については、今後も事務事業の見直しや退職者数等の状況を踏まえ、毎年度必要数の採用を行っていくが、土木職など技術系職員は、事務職と比較して絶対数が少なく、採用者数の増減の波が大きければ人材育成や技術の伝承等に支障が生じる可能性があるため、今後も現場の声を踏まえつつ、職種間での配置の融通をきかすなど工夫し、採用者数の平準化を図っていきたい。

◯山口委員 臨時的任用職員数について、21年度の任用者数と過去4年間の推移を尋ねる。

△総務企画局長 21年度については、本庁や区役所等で働く一般的な臨時職員として、5月1日現在で890人を任用している。これまでの推移は、18年度が5月1日現在で886人、19年度が6月1日現在で916人、20年度が6月1日現在で726人である。同一時点での数値集計ではないため若干変動があり、また、各年度で業務内容の違いやそれに伴う繁忙期の変動もあり、一概に比較はできないが、必要な人数を適正に任用していると考えている。

◯山口委員 民間では正社員を減らしてパートやアルバイトなど非正規労働者をふやしており、問題になっているが、本市の臨時職員はどのような考えで採用しているのか。

△総務企画局長 臨時的任用職員については、効率的な人員配置の観点から、職員の育児休業取得や、繁忙期の一時的な業務集中などの場合に、予算の範囲内で必要最小限の期間と人数を適正に任用することとしており、正規職員を減らし、代替として臨時職員を任用するものではない。

◯山口委員 正規職員数は役所においては重要であると申し述べておく。これまでの答弁をまとめて、全職種職員数と技術系の職員数を年齢別に見ると、問題が一目瞭然である。全職員のうち57歳の職員が約400人、58歳が約350人と、50歳台後半の年代が圧倒的に多い。また、技術系職員も同様に、57歳の約100人を筆頭に、50歳台後半が多く、これらの人数が毎年退職していくことになる。この世代は業務を監督し、若手を指導する立場にあると思うが、一方で若手職員の数は減少している。例えば、40歳台前半の年代は200人前後と、50歳台後半の約半分、29歳以下の年代に至っては150人前後しかいない。採用しなければ職員数はどんどん減少するが、それで本当に市役所の業務が円滑に遂行できるのか。監督できる年代は多く、実際に現場に足を運び実施状況などをチェックする実働部隊の若手が少ないというこの年代のばらつきは、組織として良好な状態ではないと考えるが、所見を伺う。

△総務企画局長 職員の年齢構成はどの年度でも均等であることが理想だが、現状は議員指摘のとおり、50歳以上の職員が占める割合が全職員の約37%と高年齢層に偏っており、人材育成上や人事管理上好ましくないと考えている。今後、職員の大量退職が続くが、この時期をとらえ、採用の平準化により年齢構成のバランスを図っていくとともに、急激な職員層の若返りへの対策として、本市行政に精通するOB職員のノウハウを生かす再任用制度や嘱託員制度の活用で対応したいと考えている。

◯山口委員 特に技術系については、大量退職が続けば、諸先輩方の培った技術がうまく後輩に伝わらないと思うが、当局は危機意識を持って、技術の伝承に関する方針を持っているのか。

△財政局長 従来より、各職場で先輩が後輩に対し、具体的な仕事を通じて、仕事に必要な知識・技術などを習得させ、技術力の向上を図ってきたが、政令指定都市に移行した昭和47年前後に大量採用されたベテラン職員の退職が本格化していく中、技術の継承は重要な課題であることから、取り組み強化の必要性を認識している。20年度に技術分野の統括部門として財政局に技術管理部が新設されたのを機に、全庁的な技術職員の技術力の維持・向上を図るため、技術職員の職種・職責に応じた研修に取り組んでおり、21年度は新たに全庁技術研究発表会を開催するとともに、公共工事の一連の流れに沿った研修プログラム36講座を実施、延べ約1,200人が受講した。22年度は、技術職員へのアンケートで要望が高かった新技術や新工法等の新テーマを追加して内容を充実させ、21年度を上回る46講座を予定するなど、技術力の向上に努めている。

◯山口委員 研修受講で技術の習得を図ることは必要だが、その間、現場の事業は少人数で幾つも現場担当を駆け回ることになりはしないか。また、今後の研修のあり方についての考えはどうか。

△財政局長 研修プログラムの年間スケジュール作成に当たっては、職種ごとの対象研修時期の分散や、年度始めと年度末の業務繁忙期の期間除外など、事業担当課の実情を考慮している。また、年度当初に年間スケジュールを提示し、技術職員が自分の立場に合った研修を選択し、計画的に受講できるよう配慮しており、技術職研修が受講者の通常業務への負担とならぬよう努めている。今後は、入庁10年未満の若手職員に対する重点的な取り組みが必要と考えており、必要な研修を受講させ、技術力の向上に努めていく。その一環として、21年度より、他職場の体験研修や、OB技術職員を技術アドバイザーとして、長年培ったノウハウを伝える技術体験懇談会などを行っており、引き続き技術の継承に重点を置き、OB職員の積極的な活用などで技術力の維持向上に努めていく。

◯山口委員 国主導で自治体職員数の4.6%以上の削減が求められているとはいえ、毎年100人程度の職員数を削減しており、特に20代の若手の減少が顕著である。技術の伝承で肝心なのは、やはり現場で先輩が直接指導することだが、その余裕もなければ、上辺だけのまねで終わってしまうと心配している。特にこれからの公共事業は、新築の事業だけでなく、アセットマネジメント推進の立場から、建物を手直しして延命化を図るという技術の違いからくる困難さが出てくる。また、事業の継続を考えると、技術系に限らず、事務系も同様である。10年後、20年度の職員構成を考えて採用していくべきと考えるが、市長の所見を伺う。

△市長 職員全体の世代別の分布がいびつであり、技術の伝承の受け皿となる若手職員が少なく、受け継いでいく技術の総量が限られてくることから、アセットマネジメントへの対応のためにも、技術の伝承を採用全体の考え方に盛り込むべきという考えは、議員指摘のとおりと思う。そのために、技術の円滑な受け渡しができるよう、人材育成も含め、将来を見据えた職員採用に努めていく。

◯山口委員 入札制度の総合評価方式と地場企業の受注増について質問する。21年度に開始された総合評価方式の入札について、21年度の契約件数と工事全体の契約件数、総合評価方式が全体に占める割合、及び地場外のみによる落札件数を尋ねる。

△財政局長 総合評価方式による入札は、平成21年6月に3億円以上の工事に対して本格導入した。21年度の工事契約件数は、水道局・交通局分を合わせた市全体で、試行を含め17件であり、市全体の工事契約件数2,581件に対する割合は0.7%、うち地場外企業のみの落札件数は、17件中3件である。

◯山口委員 総合評価方式について、これまでの一般競争入札や指名競争入札と比べ、どのように評価しているか。

△財政局長 総合評価方式は、価格と品質を含めた総合的な評価により落札者を決定する方式であり、公共工事の品質の向上、企業の技術力向上、くじ引きの回避、談合防止などが利点に挙げられる。これまで、工事成績評定の平均点が全工事の平均点より約4点上回っているほか、複数の入札者が最低金額で同額入札となった工事36件において、技術評価点が最も高い企業が落札者となり、くじ引きが回避されるなど、より優良な企業の選定につながるという一定の効果があらわれており、公共工事の品質確保が図られたものと考えている。

◯山口委員 くじ引きの回避は本市にとって望ましいと考える。一般競争入札の対象工事を1,500万円以上に拡大したが、どう評価しているのか。また、工事の最低制限価格について、平成21年10月の算出モデル改定後の平均値は20年度と比較してどうか。

△財政局長 一般競争入札の対象拡大は、競争性・透明性を高め、談合防止を図ることを本来の目的としていたが、登録業者の入札参加機会の拡大にも寄与しているものと評価している。また、工事の最低制限価格については、契約課契約分の20年度の平均値77.8%に対し、改定後の平成21年10月から平成22年8月までの平均値は84.3%と6.5ポイント上昇している。

◯山口委員 地場企業が受注している福岡市の公共工事の割合はどうか。また、入札参加資格において地場企業の優先にどのような工夫をしているか。

△財政局長 21年度に契約を行った工事における地場企業の受注実績は、件数で88.3%、契約金額で73.6%である。また、地場企業への優先発注については、発注に当たって案件ごとに定める入札参加資格において、建築は予定価格20億円未満、一般土木は10億円未満の工事は原則として地場企業であることを要件に発注を行っている。例外としては、地場企業では対応できない高度な技術力が必要な電気プラントや機械プラントなど一部の特殊工事についてのみ、地場外企業にも対象を広げ発注を行っている。また、大規模かつ技術難度の高い、いわゆる大型工事については、施工能力の関係から地場外企業にも入札参加資格を広げているが、この場合においても、JV発注を採用し、地場企業の技術力・経営力の向上を図るため、構成員の一部に地場企業を参加させることを原則としている。

◯山口委員 地場、地場外ともに下請業者として地場企業が受注している割合はどうか。

△財政局長 21年度に財政局契約課で契約を締結した工事で、一部が下請工事に出されたもののうち、地場企業が下請で受注した割合は、地場企業が落札した場合は68%、地場外企業が落札した場合は21%である。

◯山口委員 公共工事の発注自体が減少する中で、市民から、税金の使い方として地元企業を優先してほしいとの要望が多く寄せられているが、地場外の大手企業が落札した場合、地場企業が下請に入る割合は少なく、現在、文書で地場企業の下請優先発注を要請しているにもかかわらず、21%にとどまっている。地場企業の採用をさらに進めるために、総合評価方式で、地場企業の下請率が高い場合に加点する等の方策をとることはできないか。

△財政局長 総合評価方式については、工事の品質確保の観点から、企業の技術提案や実績等を主体とした技術評価項目の構成・配点としており、地場企業の下請率が高い企業を加点することについては、業種によっては市内に下請できる企業がないなどの理由でやむを得ず地場外企業を下請としている状況があること等から、慎重な判断が必要と考えているが、構成・配点のあり方について、今後、他自治体の状況等も踏まえ、市総合評価技術審査委員会などでも検討していく。

◯山口委員 技術の向上という点から尋ねていく。総合評価の結果を入札参加業者に公表しているか。また、問い合わせがなくても知らせているのか。

△財政局長 総合評価の結果については、問い合わせの有無にかかわらず、入札参加者名、各入札参加者の入札価格、技術評価項目ごとの点数、評価値についてのみ、落札者決定後速やかに本市の契約部署や本市ホームページ等で公表している。

◯山口委員 総合評価のうち技術評価項目は、提案項目と企業評価項目に大きく分かれる。企業評価項目は、施工能力や技術者の能力、社会貢献等で構成されており、客観的に評価されるため、入札参加業者も自分の実力がわかるが、提案項目である技術提案と施工計画の評価内容では、点数のみが公表されており、入札参加業者は、他の業者と比較してどのように評価されたか知ることができない。入札参加業者の全体の技術レベルを上げるため、提案項目の評価内容を公表すべきと考えるがどうか。

△財政局長 提案項目は、各企業の提案内容が知的財産であることや、競争性の確保の観点から、公表は行っていない。しかしながら、国土交通省では、平成22年4月から、総合評価方式の透明性の確保等の観点から、入札参加者自身に限定して、各提案を加点対象とするか否かを通知しており、今後、他自治体の状況等も踏まえ、同様の取り組みについて検討していく。

◯山口委員 密室で決まっているとの疑念を持たれないよう、速やかに公表の検討に入るよう要望しておく。また、法人市民税収入及び地場企業からの税収入について、過去2年間の推移はどうか。

△財政局長 法人市民税の収入額については、20年度は430億3,000万円余であり、21年度は333億1,000万円余を見込んでいる。そのうち地場企業からの法人税割額は、20年度は125億円余であり、21年度は92億3,000万円余と見込んでいる。

◯山口委員 法人市民税は430億円から333億円と約100億円減少しているが、22年度の予算は21年度よりさらに低くなる見込みである。全体の収入税額が下がっても、地場企業の割合はおおむね全体の30%を超えることがなく、厳しい状態が続いている。現在、国において法人税率の引き下げが検討されているが、仮に法人税の税率が5%減となれば、本市の法人市民税は21年度税収から見てどの程度減少するのか。

△財政局長 法人市民税は法人税額を課税標準としていることから、本市の減収額は約42億円と見込んでいる。

◯山口委員 本市の法人市民税収入は、ここ4、5年で400億円台から300億円台へと減少を続けており、法人税率の見直しが行われれば、さらに約42億円減少の200億円台になる。福岡経済全体の発展こそが本市の根幹であり、地場企業の増収増益は、従業員の収入増、ひいては市全体の活性化につながる。この好循環をつくるために公共工事でできることは、いかに地場企業の受注機会をふやすかにかかっているのではないか。これから大量の公共施設が更新時期を迎えるが、今後、本市がどのような手だてをとるかが、地場企業の浮揚、ひいては税収増にもつながると思うが、市長の所見を伺う。

△市長 市民生活の安心と都市の成長に向けて必要な施策を着実に進めるとともに、地域経済の実態に応じた経済・雇用対策に取り組んでいく必要があると認識している。特に地場企業は、地域経済の担い手であり、地場企業が元気にならなければ税収も上がらず、地域経済もうまく回っていかないことになる。従来から、公共工事の発注に当たって、可能な限り地場企業を優先してきたが、さらに議員指摘の入札制度の改善なども含め、今後とも地場企業の受注機会の拡大を図り、地場中小企業の育成に努めていきたい。

◯山口委員 次に、市営渡船事業の収入増について尋ねる。21年度の市営渡船事業特別会計における収入額と支出額、市からの繰入金額は幾らか。

△港湾局長 歳入歳出とも同額の14億9,200万円余であり、歳入のうち一般会計からの繰入金は9億4,000万円余である。

◯山口委員 過去10年間で市の繰入金が一番少ない年度と金額、その要因を尋ねる。

△港湾局長 島民人口の減少や少子高齢化の進行による利用人員の減少等により、一般会計からの繰入金は長期的に増加傾向にある。過去10年間で繰入金が一番少なかった年度は12年度の繰入金8億7,800万円余であるが、市営渡船事業の収入につながる特別なイベント等があったわけではない。

◯山口委員 市営渡船事業の損益分岐点から見て、乗客と貨物において収支の均衡が保たれる数値を試算しているか。

△港湾局長 21年度の歳出決算額14億9,000万円余に対し、乗客収入・貨物収入は3億7,200万円である。この支出を事業収入で賄うには、乗客人員が現行の約100万人から約400万人へ4倍の利用増、貨物件数が約10万件から約40万件へ4倍の利用増が必要となる。

◯山口委員 21年度の貸し切り船及び納涼船の件数と収支状況はどうか。

△港湾局長 21年度の貸し切り船運航については、32件の利用があり、収入が360万円余、船舶建造に伴う経費や人件費の基本給など定期航路の分を除き、職員の時間外勤務手当、船舶燃料費等の追加的支出が70万円余となり、収支差額は290万円余である。納涼船の運航では、運航日数18日間、利用人員2,253人であり、収入180万円余、支出は、貸し切り船と同様の費用として120万円余であり、収支差額は60万円余である。

◯山口委員 通常の定期航路、貸し切り船、納涼船を合わせても、黒字化には特段の施策が必要なことがわかるが、この経営的収支状況の実態をどう見ているのか。また、22年度は改善に向けて手を打っているのか。

△港湾局長 市営渡船事業の収支については、一般会計からの多額の繰り入れが継続しており、非常に厳しい経営状況にあると認識している。これまでにも、多客時の臨時便の運航、貸し切り船や納涼船の運航等により増収を図るとともに、ダイヤ改正による利便性の向上、委託費用や船舶の検査費用の削減等により効率的な運営に努めてきた。また、20年度から、港湾局に市営渡船事業の経営改善に係る組織を設置し、利用者や地元の意見を聞きながら、経営改善の検討も行っている。

◯山口委員 貸し切り船や納涼船の運航にはまだ余力があると聞くが、港湾局は市営渡船事業の赤字は仕方ないと諦めているのではないか。航路別では、1航海当たり乗船者数は何人で収支が合うのか。

△港湾局長 21年度歳出決算額のうち、船舶建造費に係る起債の償還額や船舶等の維持管理費を除く人件費、燃料費など運航に要する経費のみを賄うために必要な1航海当たり平均乗船人員を航路別に試算すると、玄界島航路は21年度実績の18人を77人へ約4.3倍、能古航路は44人を82人へ約1.9倍、志賀島航路は21人を52人へ約2.5倍、小呂島航路は12人を69人へ約5.8倍の増加が必要となる。

◯山口委員 4航路すべてが厳しい状況だが、航路縮小は断じてあってはならないと考える。一度休止すれば再開のめどが立たなくなるのは、これまで廃止された航路を見れば明らかであり、本市の財産として今後も育てていくことが大切と考える。本市は、食に関しては高い評価を受けており、全国的に知られているが、観光の行き先として知られているところは逆に少ないのが現状である。半日コースや1泊コースでの楽しみ方等の情報発信が足りないと考えるがどうか。

△経済振興局長 本市の観光コースに関する情報発信については、観光情報ウェブサイト・よかなびにおいて、観光地や食等の最新情報に加え、モデルコースを掲載しており、21年度は多言語による観光情報をさらに充実したところである。また、地元住民の発案による体験型観光商品・福たびの開発・支援を行うなど、新たな観光コースの充実強化にも取り組んでいる。今後とも、民と官が連携して福岡の魅力づくりに取り組むとともに、国内外におけるプロモーション活動やホームページ等による福岡の魅力発信に努めていく。

◯山口委員 現在、国内・国外の観光客へ航路利用について情報を発信しているか、また結果はどうか。

△経済振興局長 国内外でのプロモーションとして、来福観光客向けに、4カ国語対応の福岡観光ガイドブックや9カ国語対応のよかなびで、のこのしまアイランドパークや金印公園などの能古島や志賀島の観光地紹介を行うとともに、市営渡船による交通アクセスを案内している。同ウェブサイトは、21年度実績で約1,700万件ページビューと自治体の観光ウェブサイトとしては非常に高いアクセス数である。また、福たびにおいて、能古島や志賀島などに関する歴史・自然ツアーを実施している。なお、観光客による市営渡船の利用状況は把握していない。

◯山口委員 経済振興局が船の利用状況を把握していないのでは、利用促進もできない。例えば志賀島の航路では、休暇村や海の中道などの宿泊施設を生かし、旅行社に船を利用したイベント等への活用を要請したり、玄界島航路では、海の幸が豊富な漁港があっても観光客の食事場所がないので、地元にも協力を願い、観光客向けの環境を整備したりといったことを行政がすべきと考えるが、経済振興局長の所見を伺う。

△経済振興局長 地域への集客を図るためには、観光資源を掘り起こして磨きをかけるとともに、観光案内や外国語対応等の受け入れ環境を整備し、プロモーション等による情報発信が必要と考えており、今後とも、港湾局と連携しながら、旅行会社や地域の方々の発案による体験型観光商品・福たびの開発・商品化を積極的に支援し、市営渡船の利用促進にもつながるよう努めていく。

◯山口委員 福岡都市圏の大島航路や相島航路などを見ると、大島には観光客向けの宿があり、相島は朝鮮通信使などの逸話や夜は夜光虫が見られる幻想的な船旅で人気がある。民間航路であれば、企業が宿や食事場所を用意すると思うが、市営航路においては、経済振興局が乗客増について取り組まれるよう要望しておく。先日調査を行った三重県津市と中部国際空港を40分で結ぶ津エアポートライン株式会社の航路では、公設民営の手法で、船と港の整備を行政が、運航を民間会社が担っている。仮に赤字の場合も補助金等の補てんはしない契約を結んでおり、1日700人で採算に乗るが、開設以来の利用者数は平均1日約930人、21年度は1日1,200人から1,700人と採算ベースに乗っており、満席の便もあるという。利用者のうち県外約17%、県内83%で、地元は41%にも上るなど、市民だけでなく観光客からも航路を認知されていることがわかる。また、交通事業者間で4日間のフリーパスポートをつくり、鉄道、バス、船が乗り放題の企画も実施されている。本市はどうか。乗船場では、能古・小呂航路待合所等の時刻表や航路の案内看板には、韓国語や中国語表記、さらには英語表記もなく、おもてなしをしているとは言えないのではないか。港湾局担当者によると、時刻表は現在あき時間を利用して職員が作成しているというが、国際部など他の部局の応援を受けて、案内板や時刻表などは直ちに整備すべきであり、案内図もせめて英語表記は掲載するよう要望する。本市を訪れるアジアの観光客がまた来たいと思えるよう、すべての乗船場を点検し、すぐにもやれることを身近なところから実行すべきと考えるが、港湾局長の所見を伺う。

△港湾局長 時刻表などの外国語表記については、博多埠頭の博多待合所に、英語、中国語、韓国語併記の航路案内図を掲示しているほか、各待合所で英語、韓国語の時刻表を配布している。現在、航路案内等を記載した時刻表の英語、中国語、韓国語版を新たに作成しており、今後も外国語表記への対応を進めていく。

◯山口委員 市営渡船事業は、これまでも赤字であり、何も手だてを考えなければ今後も赤字が続くことは自明の理である。航路ごとの乗客増について、三重県津市のような手だてを考えるべきではないか。公設民営は運営の黒字化に対してよい手法だと感じる。航路別の1航海の収支では、小呂航路に至っては、現在の利用者は1回平均12人だが、採算ライン69人に対し、60人乗りの船で運航されており、最初から赤字を想定している。今後の対策としては、行政と事業者、市民の役割に関しビジョンをつくることだと思う。乗客をふやす施策においては、観光手段として活用するとともに、小中学生の遠足や社会科見学などで船を利用する機会をつくるなど、各局が船の利用を考え、応援すべきと考える。今後の渡船事業についての市長の所見を伺い、質問を終わる。

△市長 市営渡船は、基本的に生活航路であり、港湾局が所管する日常航路としての考え方が中心となっているが、観光面や教育面など、多方面からの活用を考えていかなければならない。今後、利用者や観光客の意見も踏まえ、航路のあり方について必要な見直しを行うことによって、市営渡船事業の経営の改善に努めていきたい。

福岡市議会議員
山口つよし

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